【活動報告】IoT研修

『スマート家電LAN技術 ~家庭内LAN環境の理解と利用~』

 IoTやDXといった言葉も当たり前に使われていますが、一般家庭でもインターネット環境が整い、スマートフォンは個人毎の普及となっています。家電もスマート化し、ネットにつながる家電は、パソコンやカメラぐらいだったのが、テレビ、レコーダー、ドアホン、エコキュート、太陽光発電システム、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、照明器具、クリーナー、調理家電等々これからもどんどん増えていくものと思われます。
 そんな中、電器店の役割も販売するだけでなく、様々な機器のネットワーク接続を求められ、ネットワーク全体の管理も任されている電器店も多くなりました。


 そこで今回、山形県電機商業組合では、その組合員のDXレベルを引き上げることを目的にIoT研修を企画しました。令和5年11月14日と21日の二日間にわたり、山形ポリテクセンターのご協力のもと『IoT研修』を募集したところ、定員を超える申し込みがあり、組合員の関心の高さを感じました。
 講師は、福島ポリテクセンターの大石節(たかし)先生で、わかりやすく実演を交えながら教えて頂きました。参加者は、みなさん集中して真剣に学ばれていました。その二日間の研修の様子をご報告いたします。(報告者:広報担当 海野晋)

第一日目:11月14日(火)9:00~16:00

 最初に、この研修の主旨と目標を大石講師から伝えられました。そして、無線LANいわゆるWi-Fiの周波数や電波法を絡めながら、2.4GHz帯と5GHz帯の違いやそれぞれ特徴、無線LAN規格の変遷などわかりやすく説明がありました。
 有線LANのカテゴリについては、スピードやケーブルの種類などの説明もあり、午前中は座学中心となりました。

午後からは、実際にスマート家電の接続を行いました。WiFi接続だけでなくBluetoothでの接続も交えながら、ネットテレビ、スピーカー付きLEDシーリングライト、ペットカメラなど、自分のスマートフォンを接続の実習です。接続に失敗してやり直さなければならない手間のかかる機器もあり、悪戦苦闘しながらもとりあえず無事に(?)クリアしていました。


第二日目:11月21日(火)9:00~16:00

 午前中は、富士ソフトMobileルータの設定やBuffalo社製WiFiルータの設定について学びました。設定画面の文言が意味不明の方も、ポイントを押さえて覚えることにより、十分対応できるようです。さらに、ネットワーク接続のセキュリティカメラの設定についても学びました。
 午後からは、午前中のルータ等の設定の実習とドアホンとスマホ接続の実習を行いました。
最後に、無線の通信状態の視える化とルータの中継による通信の安定について学びました。最近は無線LANを利用する機器や利用者が増え、またどの家庭も無線LANを使っているケースが多く、電波の輻輳により、スピードが出ないなどの事例も多くなっています。自動割り振りではなく、手動割り振りによりチャンネルをずらしたり、あえて合わせることでスピードの安定をはかれることを教えてもらいました。利用するWiFiの種類によってスピードと実用距離が異なるため、中継ルータによる家庭内での均一化をはかれることなども学びました。

 参加者の中には、あまりなじみのない分野の研修で頭から煙が出るような方もいましたが、普段接する中で、いろいろな疑問があるところなどがだいぶ払しょくされたようでした。終わった後も、講師の方にいろいろな方が詰め寄って、質問をしているようでした。


最後に

 時代とともに、スマート家電の種類は増え、ネットにつなぐ機器、人数も増えてきました。また、データの多重化、高品位の画像や音声の普及により、扱うデータ量も高速かつ大容量が求められています。これは、データ通信のフェーズが5Gから6Gへの移行により、ますます加速すると思います。
そうなると、有線では通常我々が使用しているカテゴリー5、5e、6から、カテゴリー7、7A、8などの伝送速度10Gbps以上の世界が主流になるのかな?と感じられましたし、無線ではWiFi6が主流になってきたと思っていたら、WiFi6e、WiFi7が出てきており、家庭内ネットワークのインフラの整備について、我々も最先端の工事、設定ができるようにならないといけないと感じました。
 その時、通信電波内におけるチャンネルの輻輳を視覚化できるアプリなどの活用で、解決ができそうな気がします。スマート家電とネットワークに強いでんき店の需要はありそうですね。
 組合では、今後もこのような研修を定期的に行い、組合加盟店のレベルアップをはかっていきますので、ぜひ多くの方のご参加お待ちしております。